海外メディアEurogamerによると、スイスのサッカークラブ・BSCヤングボーイズのファンが現地時間9月23日、ホームゲームの対バーゼル戦において、eスポーツへの抗議活動としてテニスボールやゲームのコントローラーを試合中のピッチに投げ入れ、試合を数分間中断させた。
同試合で、BSCヤングボーイズのファンらは、サッカーゲームの「ポーズボタン」が描かれた巨大なフラッグをスタンドに掲げた。また、アウェイチームであるバーゼルのサポーターもその抗議に賛同するフラッグを掲げ、両チームのサポーターがeスポーツに対する抗議の意を表明した。これは、eスポーツに出資するサッカークラブが増えている現状に対して、eスポーツではなく実際のサッカークラブ経営に資金を回すべきと考える一部サポーターによる抗議と見られている。
元ESPN記者でeスポーツコンサルタントのRod Breslau氏のツイート
The Young Boys supporter group who organized the protest released a statement, saying the Swiss Football League will mandate all clubs must have an esports team to continue competing in the highest league. The club denies this.https://t.co/qZR43fuxwPhttps://t.co/GSM4yA44LB pic.twitter.com/uyY6PzQFbt
— Rod Breslau (@Slasher) 2018年9月24日
実際、抗議活動を主導したヤングボーイズのサポーターグループのOskurve Bernさんは、自身のFacebookに「サッカークラブの価値は集団スポーツであることによって人々の交流から得られる様々な経験にある」とし、「クラブのeスポーツ界への参入は目下の利益追求のためだけであり、今あるクラブの価値を下げてしまう」と主張した。
これらの抗議活動に対し、BSCヤングボーイズはホームページで公式表明を出し、試合中の迷惑行為について非難するとともに、「自分たちの活動の第一優先はeスポーツではなく（リアルの）サッカーにあり続ける」と自分たちの立場を強調している。
BSCヤングボーイズの公式声明文
E-Sports: Stellungnahme des BSC Young Boys. https://t.co/K5JtyBw1FP #BSCYB pic.twitter.com/JqYIS43dH2
— BSC Young Boys (@BSC_YB) 2018年9月24日
eスポーツが今後さらに市民権を得ていくと予想される中、リアルサッカーファンとサッカークラブの間に対立が起こり始めている。それがさらに、VR・AI・ロボティクス技術などを生かした先端スポーツとリアルスポーツの軋轢にまで発展しないことを願うばかりである。
（翻訳・文●Masayuki Hagiwara / 鎌倉インターナショナルFC）
（編集●VAMOLA eFootball News編集部）
