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eスポーツ選手のアスリート的「スゴさ」を科学的に探る。ナスリ選手マネジメント会社が慶應義塾大学と共同研究を開始

11月7日、株式会社スポーツITソリューションは、慶應義塾大学加藤貴昭環境情報学部准教授の研究会「HPL(Human Performance Laboratory)」との共同研究により、eスポーツ選手のパフォーマンスの研究を開始すると発表した。研究ではまずサッカーゲームに着目するとのこと。株式会社スポーツITソリューションは、VAMOLAでも何度も取り上げてきたFIFAプレーヤーのナスリ選手とマネジメント契約を結んでいる。ナスリ選手のプレーに科学の目線で迫ることになりそうだ。

株式会社スポーツITソリューション(本社:東京都渋谷区)は、慶應義塾大学 加藤貴昭環境情報学部准教授の研究会「HPL(Human Performance Laboratory)」と共同で、eスポーツ選手のパフォーマンス研究を開始いたしました。本研究は、慶應義塾大学SFC研究所(湘南藤沢キャンパス:神奈川県藤沢市)、みらいのまちをつくる・ラボの活動の一環として大井町の研究拠点で行われます。

eスポーツ選手の評価において「勝敗」はとても重要ですが、その勝敗を分ける「スゴい」プレーは選手のどんな身体能力・スキル・メンタリティによって生み出されているのかについての議論はまだ深まっていません。

本研究ではまずサッカーゲームに着目し、リアルサッカーとヴァーチャルサッカーのプレーにおける類似や相違点、またトップレベルのeスポーツ選手のパフォーマンスの「スゴさ」を、視線計測やモーションキャプチャ、生体反応などアスリートとしての観点から解明する取り組みを行い、発信していきます。


(写真:サッカーゲームを使用し、視線計測するヴィジュアルデータイメージ)

筆者もナスリ選手の試合をマッチレポートの執筆を通じて、何試合も観戦してきた。当然のことながら、試合の観戦だけではわからない部分が数多くあり、そこに最新の科学技術で迫ることになる。しかもそれが、感覚ではなく、データとして数値化されることの意義は大きい。

VAMOLAの編集長であるちゃまくんのインタビューにおいても、
【選手INTERVIEW#01-2】ちゃまくん「君もサカゲーでご飯を食べてみないか」(第2回)
「例えば、アイトラッカーという「プレイヤーがゲーム画面のどこを見ているのかが分かる」機械があるのですが、それを世界大会に出る選手につけてもらって、」
とちゃま編集長もすでに今回の研究と関わりのある話をインタビューで答えていた。

メンタリティはサッカーゲームに限らず、eスポーツでは特に重要な要素。しかし、この見えない要素がいかにして可視化されるのかは非常に気になるところ。

リアルサッカーとヴァーチャルサッカーのプレーにおける類似や相違点が研究を通じてより鮮明となれば、サッカーゲームのユーザーにとっても“リアリティ”が還元されるのではないかとの期待が持てる。

■加藤貴昭研究会「HPL」について
HPL(Human Performance Laboratory)では、人間の様々な行動を対象に、心理的・身体的な側面を、手法を用いて実験的に検証しています。人間工学の分野は、日常生活における環境の問題や人間の基本特性とは何かという課題について「人を測る/知る」ことから、人間と環境との調和を実現するための実践的な応用を目指します。スポーツ心理学の分野は、エキスパートと呼ばれる人はいかにして高い運動パフォーマンスを発揮しているか、強いチームには何が重要かといった非言語的・包括的な知である「ワザ/コツ」について考察し、実践的な価値を見出すことを目指します。

サッカーゲームにおけるワザやコツが明らかとなれば、サッカーゲームプレーヤーにとっては、最もほしい情報である。情報が共有されれば、また新たな方法論を確立させる必要が出てくる。こういった連鎖によって、eスポーツはますます進化を遂げていくことになるのだろう。

■スポーツITソリューションについて
スポーツITソリューションでは、2020年には14億ドルに拡大すると言われるeスポーツ市場の成長(参考:2018年2月21日Newzoo発表)に着目し、eスポーツ大会の事務局運営、世界で活躍するeスポーツ(FIFA)プレーヤーであるナスリ選手とマネジメント契約を締結するなど、積極的に活動してきました。国内外で活躍するeスポーツプレーヤーを「アスリート」と捉え、eスポーツ環境の発展に努めてまいります。

■問い合わせ先
株式会社スポーツITソリューション 担当 熊本
E-mail: takuma.kumamoto@sports-it.jp

未だゲームはサブカルチャーの域を出ているとは言い難い状況にある。eスポーツへの賛否両論も様々ではあるが、このサブカル感が否定される理由の一端となっている側面があるのではないだろうか。

マンガは今や日本を代表するカルチャーとなっている。この状況の醸成には気運の高まりが最も大きいが、大学にマンガを専門に学ぶ学科が設けられ、京都国際マンガミュージアムが設立されるなどアカデミックな動きによって、社会のマンガに対する認識が変化したことも大きい。

アカデミックな世界がeスポーツに関心を寄せることは、いわばサブカルチャーからメインストリームに飛躍するプロセスを担うこととなる。この研究がeスポーツの発展に与える影響は計り知れない。

■プレスリリース

eスポーツ選手のアスリート的「スゴさ」を探る。スポーツITソリューションが慶應義塾大学と共同研究を開始!

(文●fanatic wilkinson’s)
(編集●VAMOLA eFootball News編集部)

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