【eSports企業インタビュー】ワタナベアマダクション土居氏「当面の目標は国体優勝」(前編)

ワタナベエンターテインメントは2018年6月、所属タレントの選抜メンバーによる「ウイニングイレブン(以下ウイイレ)」に特化したeスポーツチーム「We-Spo(ウィースポ)」の発足を発表した。eスポーツとしてウイイレを本気で鍛錬し、“国体優勝”(※1)を目指すというWe-Spo。チームの名誉監督として、元サッカー日本代表で、現在は沖縄SVで代表兼監督兼選手の髙原直泰氏が就任することも合わせて発表している。We-Spoが結成された経緯や、元日本代表かつ現役サッカー選手の髙原氏を監督に迎えた経緯などについて、We-Spoをバックアップするワタナベアマダクション代表取締役・土居大樹氏にインタビューを行った。

※1 2019年9月に開催される「茨城国体」でeSportsが初めて採用されることが発表されている。また、2018年9月15日にはそのプレ大会として「全国都道府県対抗eスポーツ選手権<茨城プレ大会>」が企画されている。


(写真:We-spo 大手芸能プロダクションでは初ともいえるウイイレのeスポーツチーム)

沖縄で1からチーム作りにチャレンジしている髙原直泰氏と、活動理念が一致した。

高原さんに名誉監督をお願いしたきっかけは、単純にまず、社内で繋がりのある者がいたことですね。そこから、ウイイレに特化したゲームタイトルでWe-Spoを始めましょうとなったときに、世界で活躍され、いまもなお沖縄で、チームを1から作る、チャレンジをされている高原さんにお願いしたいと。

今回は、「eスポーツで著名な選手を連れてきましょう」というものではなくて、1から(国体優勝を)目指しましょう、というプロジェクト。沖縄という新天地でサッカーチームを作られている高原さんとは、理念で一致していました。高原さんもウイイレをプレイなさっていまして。(最初は1からだけれども)徐々にステップアップしていくチームにしましょう、と。そんな経緯でジョインしていただきました。高原さんご自身が1から沖縄でチャレンジされている、ということが今回の企画と一致した、ということです。

国体の優勝を目指していますが、具体的な活動内容などは、やりながら決めていくというか、まず最終目標ありき。Youtubeのチャンネルがありますが、それを盛り上げるために作ったわけではないチームで、あくまで当面のゴールは国体。そこを目指して練習しながら、動画を作りながら、できることを探していくという感じです。チームを作って、どんなことを目指すか、という話を高原さんとさせていただいたときに、その結果「面白そうだね」と共感いただいたということですね。

「人に見られること」を意識して、普段の練習に臨んでもらう

選手は都内近郊に住んでいて、事務所まではすぐに来られる。集まることはできますが、基本的に練習は自主性に任せています。ゲームをする際の意識ですが、単純に遊ぶだけではなくて、人に見られること、大会で相手に勝つことを目的としてゲームをしてもらうようにしています。何度かこれまで番組で試合などもしていますが、ゲームとしての盛り上がりはあります。何点も入ったり、派手なことも起きたりしますし。何人か著名なeスポーツ選手にもプレイを見てもらっていまして、表立ってはいないですが、いろんな話を聞かせてもらっています。ただ、正直なところ、まだ「国体で優勝する」という目的があるチームと、実際に戦えるレベルには至っていないと言われ…(苦笑)。まだ出場する3名も固まっていないところですし、じっくり練習していく、という段階です。

他にもいろんなeスポーツのプロにお会いすることが多いのですが、そういう方からアドバイスをいただくこともあります。


(写真:ワタナベアマダクション代表取締役・土居大樹氏)

eスポーツを、他のスポーツ同様の価値があるものにしたい

国体を目指すと決めたときに、なぜ国体なのか? というところなのですが…。いま、アジア大会でeスポーツの種目がデモンストレーション種目として採用(※2)されましたよね。でもeスポーツの現場で声を聞くと、アジア大会よりも「国体でeスポーツが採用された」という事実のほうが、大きなインパクトがあったというか、価値のある出来事に受け取られる方もいて。はっきりとした理由はわかりませんが、おそらく国民性というか「あの国体でeスポーツが…」という感覚があるのだと思います。他の種目でも、国体に出るというとやはり大きな価値が選手にはあると思いますし。

私はeスポーツを、他のスポーツ同様に知名度や、価値のあるものになったら良いと思っていました。We-spoが国体を目指すのも、そういう部分(国体でのeスポーツの盛り上がりが、eスポーツ業界の発展につながる)があるからということが言えると思います。

※2 2018年8月18日から9月2日にインドネシアで開催される第18回アジア競技大会では、「ウイニングイレブン2018」で2人の選手、デジタルカードゲーム「ハースストーン」で1人の選手が日本代表として選出されている。VAMOLA eFootball Newsでは現地取材を行う予定だ。

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【INTERVIEW#03-2】ワタナベアマダクション土居氏「eスポーツ業界にスターを作り出したい」(後編)に続きます。次回は大手芸能プロダクションが考える、eスポーツと芸能会について語ります。

(インタビュー・文:VAMOLA eFootball News編集部)

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