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【特別コラム】サッカーを学ぶウイイレ現役選手から見た、世界最高峰の対戦「日本代表ソフィア対王者エットリート」

3月13日、中国の重慶で国際eスポーツ大会「World Electronic Sports Games」(以下、WESG)にて、ウイニングイレブン2019(海外名:PES2019)の準々決勝が行われた。準々決勝では、日本代表ソフィア選手と「PES LEAGUE WORLD TOUR 2018」の覇者、強豪エットリート選手が対戦した。

PES LEAGUEの覇者とアジア大会の覇者、いわばディフェンディングチャンピオン同士の対決に多くの注目を集めた。VAMOLAが完全密着した有馬温泉湯桶杯において、唯一、一般参加枠から準決勝に進出したarata選手もその一人。

arata選手は新潟県にあるJAPANサッカーカレッジの学生で、サッカーやスポーツビジネスを学んでいる。そんな、次世代を担うarata選手がWESG準々決勝を試合分析。ソフィア・エットリート両選手のすごさなどについてコメントを寄せた。(トップ写真:arata選手 = 2018年11月、有馬温泉湯桶杯)

■エットリート選手について

「キックフェイント」
arata選手:エットリート選手は、抜群の攻撃センスを持っています。エットリート選手の得点は、そのほとんどがキックフェイントからのゴールでした。「ウイニングイレブン2019」では、キックフェイントからのシュートが、得点パターンの1つになっています。シュートシーンに限らず、キックフェイントをどう使うのかが大事になっています。

「ペナルティエリア付近のスピード感」
arata選手:でも、ただ単調にキックフェイントをするだけでは、ソフィア選手の固い守備は崩せません。どのようにして、エットリート選手はゴールを割ることができたのか。その要因の1つと考えているのが、ペナルティエリア付近でのスピード感です。エットリート選手は、ペナルティエリア付近にボールを持ち込んだ際、一気にダイレクトパスを多用し、スピードアップします。

「緩急の使い分け」
arata選手:この緩急の付け方がエットリート選手は抜群にうまいのです。緩急を付けるプレイは、リアルサッカーにおいても大切なことの1つで、日本人選手と海外の一流選手との差は、この緩急の使い分けにあるとも言われています。

これは、ウイニングイレブンにおいても、似ている部分があると思っています。エットリート選手のように緩急をうまく使える日本人ユーザーは少ないと感じています。

ゴール前で一気にスピードアップする、エットリート選手のパス回しは、観戦でボールを目で追うだけでも難しく、実際にプレイしているソフィア選手は、さらに早く感じると思われるので、攻撃を抑えるのは相当難しいことだと考えられます。

この緩急の使い分けが、守備の固いソフィア選手から得点を取れた大きな要因だと思いました。

「日本人選手のこれから」
arata選手:同じ学校に通う友人と一緒に試合を観戦していました。ウイイレにあまり詳しくない友人も、エットリート選手のクオリティに思わず声を上げていました。これから、日本人選手がもっと上へ行くために必要となる要素をエットリート選手は持っていると思います。改めて、トッププレイヤー・エットリート選手のすごさがわかる一戦でした。

■ソフィア選手について

「堅実なサッカーに隠れたすごさ」
arata選手:ソフィア選手は、強固な守備を軸にした組織的な戦い方に特徴があります。試合に負けはしましたが、ソフィア選手のすごさをたくさん見ることができました。

後方からのビルドアップ能力やショートパスでの崩しは、流石だなと思うことばかりでした。堅実で派手さはないので、一見すると簡単にプレイしているように見えますが、その中にすごさが隠れています。

「ショートパスでのビルドアップ」
arata選手:特にすごいと思うところは、後方からのビルドアップです。普通、自陣でボールを奪った場合、すぐに奪い返されて失点につながる恐れがあるため、ロングパスで味方につなごうとするか、クリアするという判断が多くなります。

しかし、ソフィア選手はどんな状況でもショートパスを選択して、攻撃につなげていきます。自陣だけではなく、試合中はほとんどロングパスを用いず、ショートパスで攻撃を組み立てていきます。これは、味方選手の位置を正確に把握し、相手のカーソル位置や動きを正確に予測しないと、できないプレイであり、そこがソフィア選手のすごさだと思います。

そして、ただショートパスをするだけではなく、味方のFWへ縦パスを入れるスペースを空けるために、ソフィア選手特有のショートパスで相手を揺さぶり、得点につなげていました。

「メンタルの強さ」
arata選手:そして、もう1つすごいと感じたのが、2ndレグ後半でエットリート選手に3点リードされ、メンタル的に厳しい状況となっても1点を返した場面です。

サッカーでは「試合終了の笛が鳴るまであきらめるな」とよく言われますが、実際にはとても難しいことです。僕自身、ウイイレのオフライン大会で、相手に3点をリードされたとき、心が折れて何もできないまま試合が終了しました。

ソフィア選手は、最後まで諦めることなくゴールを狙い続け、1点を返すことができました。それもエットリート選手のミスからではなく、ソフィア選手が完璧に崩してのゴールでした。決められた直後のエットリート選手が悔しがる表情を見ても、油断をしていたのではないことがわかります。

最後まで狙い続けたソフィア選手だからこそ、生まれたゴールだと思います。こういったメンタルの強さも、ソフィア選手の強さの秘訣であり、すごさだと思いました。

(寄稿●JAPANサッカーカレッジ 川﨑新太)

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なお、arata選手は、3月23日に行われる「PESリーグ 2019」日本代表決定戦に出場の予定となっている。ソフィア選手の引退は残念だが、次世代の活躍に期待したい。

(文●fanatic wilkinson’s)
(写真提供●杨少卿、K14)
(編集●VAMOLA eFootball News編集部)

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