東京ゲームショウが開幕! 日本サッカー協会副会長岩上氏「eスポーツのサッカー日本代表を作る考えがある」

 9月20日、千葉県幕張メッセで東京ゲームショウ2018(以下、TGS2018)が開幕した。TGSは、コンピュータ・ゲーム関連の日本最大となる展示会。アメリカのElectronic Entertainment Expo(E3)、ドイツのGamescomと並ぶ世界三大ゲーム見本市のひとつだ。今年は、「新たなステージ、開幕。」をテーマに掲げ、日本でも盛り上がりを見せる「eスポーツ」関連のプログラムも多数開催される。開幕初日(ビジネスデイ)の基調講演では、「eスポーツが“スポーツ”として広がるためのロードマップ」と題したトークセッションが行なわれた。登壇者の1人である、日本サッカー協会副会長の岩上和道氏は、日本サッカー協会としてどのようにeスポーツに取り組むのかを語る中で、「是非、(eスポーツのサッカー)日本代表を作っていきたい」という注目の発言が出た。以下、eスポーツのサッカージャンルに関する内容を中心に詳細をお伝えする。


 初日の基調講演には、左から、モデレーターとして玉置亮太氏(日経クロステック副編集長)、岡村秀樹氏(日本eスポーツ連合会長)、荒木重則氏(カプコン常務執行役員 eSports統括本部長)、森田直樹氏(コナミデジタルエンタテインメント「ウイニングイレブン」シリーズ制作部長)、ケネス・フォック氏(Asian Electronic Sports Federation会長)、そして岩上和道氏(日本サッカー協会副会長)の5名が登壇した。

 岩上副会長は、FIFA(国際サッカー連盟)がeスポーツ大会を主催するなどの情勢を受け、日本サッカー協会が「eスポーツ」を事業として行うことを、2016年11月には正式決定していたことを明かした。そして、今月4日に発表した、2019年茨城国体でのeスポーツ大会(全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019IBARAKI)への参画で、約2年の時を経てようやく具体的なプロジェクトが生まれたことを歓迎し、その上で将来的な展望として、以下の発言が生まれた。

 「サッカーの本質、バリューが何かと言えば、インクルーシヴ(多様なものを含むもの)であることだと思います。要するに、性別の区別も、年齢の区別も関係なく、障害のある無しにも関わらず、すべての人がサッカーを楽しめる。その環境を我々は整備してあげたい。これはとても大事な理念であります。そして、サッカーは健全であり、非暴力的であるべきで、また、グローバルでもあるべきだと考えています。それがサッカーの考え方でありまして、eスポーツは、(こうした我々の考え方に)非常に合致していると感じております」

 「是非、(eスポーツのサッカー)日本代表を作っていきたいと思っています。そのためには、これは(実際の)サッカーと全く同じなんですが、指導者の育成やユースの組織整備と育成、そして代表を強化していくという、体制を整備していきたい。いずれ、日本代表の選手をつくり、監督にあたるコーチをつくり、そして、ユース育成のアカデミーみたいな組織をつくっていきたい」


(写真:会場には外国人の聴衆者も多数見られ、同講演は英語、中国語、韓国語にも同時通訳された)

 サッカー日本代表チームと同じ青のユニフォームを着て、日の丸を背負って国際大会に出場するeフットボール選手が、もうすぐ生まれるかもしれない。なお、TGS2018は、41の国と地域から過去最多の668の企業と団体が出展。20日と21日が業界関係者向けのビジネスデイ、22日と23日が一般参加が可能なパブリックデイとして開催されている。

東京ゲームショウ2018公式サイト
https://expo.nikkeibp.co.jp/tgs/2018/

(取材●VAMOLA eFootball News編集部)

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