馬人氏&Mayageka選手インタビュー「サッカー選手のセカンドキャリアに、サッカーゲームを極める道を用意したい」
昨年12月15日、埼玉スタジアム2002で行われた「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2018 ファイナル」の会場で、「大久保嘉人選手と対戦!eスポーツ体験会!」が開催された。
元日本代表FWでジュビロ磐田の大久保嘉人選手が来場者と『ウイニングイレブン 2019』をプレイする、eスポーツによるエキシビションマッチ。MCをeスポーツキャスターの馬人氏が務め、ウイニングイレブンのプロプレイヤーMayageka選手がゲームの解説を行った。
VAMOLAはイベント後、馬人氏とMayageka選手にインタビューを敢行。イベントの感想や、昨今のサッカーゲームを取り巻く環境について聞いた。
(写真:左・馬人氏、右・Mayageka選手)
――大久保選手のような、実際のサッカー選手とゲーム対戦するイベントが増えてきていると思います。こうした状況に関して感想は
馬人氏:子どもたちが有名サッカー選手と直接、サッカーゲームをプレイできることは、とても嬉しく貴重な機会だと思います。
ウイニングイレブンが好きな子たちは、絶対にサッカーが好きだと思います。そして、そのサッカーが好きな子たちは、当然サッカー選手に憧れを抱いているものだと思います。その意味で、スタープレイヤーがゲームイベントに出演して下さるのは、eスポーツ業界としても嬉しいことです。
――裾野の広がりを実感されますか
Mayageka選手:僕は(ウイニングイレブンの)4、5シーズン前のタイトルくらいから勝てるようになってきて、今では日本のトッププレイヤーであるとの自覚があります。ただそれでも、「実際のサッカー日本代表に名を連ねる選手たちと並んでウイイレをする」、まさか、そのような機会が訪れるとは思っていませんでした。
この状況に、まだ不思議な感覚はありますが、サッカーゲームやeスポーツを取り巻く環境が、このような(価値のある)レベルになってきていることを実感します。
(写真:会場には多くの子どもたちが参加していた)
――「サッカーゲームは、サッカーの教育に役立つ」という言葉が大久保選手からありました
馬人氏:今日、サッカーの上手さを計る基準の1つとして、「イメージ」が大事であることを再認識しました。ウイイレは、仮にコントローラーの操作が上手い人でも、サッカーのルールを知らないとゲームとして成立しません。
大久保選手が(久しぶりのプレイで)操作に慣れないながらも、素晴らしいプレイを生み出すことができたのは、「ゴールまでの動きのイメージ」ができているからだと思います。その意味で、サッカーの教育にも役立つとコメントされたのではないでしょうか。
イメージトレーニングという点では、実際のサッカーとサッカーゲームは、同じような効果があるのではと感じています。
Mayageka選手:大久保選手と第1試合でエキシビション対戦をしましたが、間違いなく最初の試合より、2試合目、3試合目と、明らかな上達が見られました。それは、元々持っている「サッカーの知識」が活用できたのだと思います。
特に効果的だったサイドからの崩しは、ウイイレに(約10年ぶりの)長いブランクがあるとは思えないようなプレイでした。そうした吸収力を実際に感じると、サッカー経験者やサッカー観戦が好きな人は、サッカーゲームの上達において、その成長速度が早いのではないかと感じました。
(写真:高円宮杯決勝は、鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島の対戦。多くのユース同年代の選手たちが観戦に訪れていた)
――大久保選手の息子さんたちが、「サッカーゲームのプロを目指す」と言う日が、いずれ訪れるかもしれません。そうなるために、eスポーツ業界に必要と感じていることは
馬人氏:今は、私たちに大事な役割があると感じています。私たちeスポーツのタレントやプロ選手が、まず、お客さんをしっかりと集めることです。そして、eスポーツを観る人を増やしていくことが重要だと思います。
実際のサッカーでは、さいたまスタジアムを観客で埋め尽くすことができます。eスポーツでも、観客をもっと集められるような状況を生み出す必要を感じています。すると、eスポーツが職業として成り立っていることを、より多くの人に分かってもらえると思います。
実際、僕もMayageka選手もゲームをしてお金を得ています。例えば、ゲームを仕事としている状況を、もっとアピールして良いのかなとも思っています。
Mayageka選手:eスポーツという言葉が世の中に浸透してきているとは言っても、まだまだだと思います。どうしても「ゲーム」という固定観念が、世間にあるというのが現状ではないでしょうか。
ただ、今日のように現役のサッカー選手との交流を通じて、もしも、サッカー選手が引退後「サッカーゲームのプロを目指したい」と言ってくれたら、1つの面白い状況が作れると感じています。
サッカー選手のセカンドキャリアとして、サッカーゲームを極めたいと思えるような空気や流れを、ウイイレ界、サッカーゲーム界で自分が先頭に立って作っていければと思います。
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(インタビュー●VAMOLA eFootball News編集部)