eSportsとVRはいつ交わるか。世界最大級のVR体験施設「ドバイVR Park」誕生
2018年3月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにある世界最大のショッピングモール「ドバイ・モール」の中に、VR体験施設「VR Park」がオープンした。同施設は、22,000平方メートルの広さを誇り、VR体験施設として世界最大規模となる。2フロアにわたる館内には、大小18個のVRアトラクションが設置されている。各アトラクションには、世界観を楽しませるための装飾や映像が作り込まれ、極めてリッチな体験ができるVRテーマパークになっている。先日のロンドンで開催されたFIFA eW杯の優勝者もサウジアラビアの選手であり、今や中東はeSportsとVR施設に関して世界の最先端を走っていると言える。
(写真:VR Parkの館内の様子。非常に凝った装飾が施されている)
様々な人気アトラクションがある中で、シンプルでありながらも可能性を感じたものが「スポーツゲーム」だ。「SPORTS VR」というアトラクションの中で選べるサッカーゲームでは、自身が「キーパー」役になり、FKやPKを止めるVR体験ができる。相手のキッカーは、契約上名前を使用できないのであろうが、明らかに世界最高の2人の選手である、無回転FKが得意なあの選手と、左利きでカーブを巻くFKが得意なあの選手だ。彼らの蹴るシュートのスピードや球筋がキーパー側の目線でリアルに体験できる。一度経験すると、キーパーの仕事の難易度の高さを感じることができ、彼らがいかに高度な判断力と瞬間の反応でプレイしているかが分かるであろう。
(写真:VR SPORTSのアトラクションエリア。サッカー以外にも、ボクシング、テニス、ボーリングなどが体験できる)
同施設を運営しているStarVR Corporation社(スウェーデンStarbreeze社と台湾エイサー社の合弁企業)は、「VR PARKは、レジャー・エンターテイメントの先駆者として、ドバイの発展に貢献する」というコメントを発表し、単なるゲームパークとしての存在を超えて、VRテクノロジーが一大産業と成長し、同時にこの施設がそのアイコンになることに自信を示している。ゲームは、常にテクノロジーの進化とともに歩んできている。今後のeSportsの発展には、VRテクノロジーと交わることが期待されており、それは必然の流れであろう。デバイスの軽装化や低コスト化、ネットワーク速度の向上など課題は多いが、映画『Ready Player One』の世界のように、eSportsとVRテクノロジーが交わった競技はいつ始まり(※)、いつブレイクするだろうか。eSportsが、仮に世界で本当の意味で地位を獲得する時は、VRテクノロジーが世界を席巻するタイミングと同じ時かもしれない。
※初のVRゲームを利用したe-Sportsの国際大会は、2017年5月オーストラリアにて、Insomniac Game社が開発したOculus対応のVRゲーム「The Unspoken」を種目タイトルとして開催された。
(写真:VR Parkの入り口。ドバイの街並みが壁や天井から突き出ている)
関連URL
(取材●VAMOLA eFootball News編集部)