【FIFA eW杯2018決勝】MSドサリ選手対ステファノ・ピナ選手 詳細マッチレポート

国際サッカー連盟(FIFA)が主催するeスポーツの世界大会「FIFA eWorld Cup Grand Final 2018」は8月4日、英国・ロンドンのO2アリーナで決勝が開催された。Xbox Oneをプラットフォームに勝ち上がったサウジアラビアのMSドサリ選手と、プレイステーション4(以下、PS4)をプラットフォームに勝ち上がったベルギーのステファノ・ピナ選手の対決となった。

FIFA eWorld Cup Grand Final公式Twitch

EASPORTSFIFAのFIFA 18 – FIFA eWorld Cup Grand Final kicks off today at 6PM UKをwww.twitch.tvから視聴する

決勝前プレビュー

MSドサリ選手は実績もあり、優勝候補の1人ではあったものの、その注目選手の中では、少しダークホース視されていた。ステファノ・ピナ選手は、優勝候補の1人には数えられていなかった。主催者側がコンソールの違いにどう対処するのかということにも関心が高まっていたが、1stLegをPS4、2ndLegをXbox Oneという変則マッチで決勝が行われることになった。

1stLeg(PS4) 前半

1stLegの前半はステファノ・ピナ選手からのキックオフ。序盤は両者とも手堅い展開となった。前半11分ステファノ・ピナ選手がRonaldoで決勝初のシュートを放つも、ディフェンスに阻まれゴールならず。前半20分、ステファノ・ピナ選手が中央から攻める先程と同じような場面をつくり、Ronaldoでシュートを放つもゴールには到らず。前半23分にはMSドサリ選手のパスミスからステファノ・ピナ選手がチャンスをつくり、またもRonaldoでシュートするもゴールならず。前半25分、今度はステファノ・ピナ選手のパスミスから、逆にMSドサリ選手がチャンスをつくる。スルーパスからRonaldoが完全に抜け出す絶好の機会を得るも、ステファノ・ピナ選手がスーパーセーブを見せゴールには到らず。前半37分、MSドサリ選手が中央へのロングパスからチャンスを生み、ゴール前へスルーパス。レジェンドRonaldoで決勝初得点を決めた。MSドサリ選手がペットボトルの水を一口含み、ステファノ・ピナ選手はしっかりと冷静さを保っていた。前半も終盤に差し掛かり、ステファノ・ピナ選手が同点弾を狙い、敵陣内に進入。対するMSドサリ選手が落ち着いた試合展開を見せ、逆にロスタイムにはRonaldoでシュート。ゴールには到らなかったが、MSドサリ選手の流れで前半を終えた。ステファノ・ピナ選手は切り返しの効いたシャープなドリブルを見せ、MSドサリ選手は試合展開の巧みな緩急を見せた。ステファノ・ピナ選手の1点ビハインドながら一進一退の展開。PS4をプラットフォームとするステファノ・ピナ選手としては、2ndLegを見据え逆転しておきたいところ。

1stLeg(PS4) 後半

数分の後、MSドサリ選手のキックオフで後半が開始された。MSドサリ選手は後半序盤から、ボールを後ろへ戻すなど手堅い展開であったが、51分には右サイドからのクロスにレジェンドRonaldoのヘディングでゴールを決め、2得点目を挙げた。MSドサリ選手は前半の得点時と同様、落ち着いた表情で少し水を口に含むルーティンのような仕草。一方のステファノ・ピナ選手は、さすがに茫然自失のような表情を見せた。MSドサリ選手は手堅くポゼッションサッカーをしながらも、チャンスがあれば一気呵成に攻めるという展開。少し集中力が落ちたのか、終盤にはゴールラインを割るなど、いくつかのミスが続くものの、果敢に攻め続けたMSドサリ選手の流れのまま1stLeg後半を終えた。終了後、ステファノ・ピナ選手は疲弊した表情を見せた。PS4をプラットフォームとするステファノ・ピナ選手にとって、1stLeg終了時点の2点ビハインドは大変厳しい展開。コンソールの変更など2ndLeg準備のため、10分強のインターバルがおかれた。

2ndLeg(Xbox One) 前半

2ndLeg前半はステファノ・ピナ選手のキックオフから開始された。ステファノ・ピナ選手が必死にボールを奪い敵陣内へ進入、MSドサリ選手がボールを回しながら隙あれば攻撃へシフト。ボールを奪い合う両者の膠着が続いた。前半28分、MSドサリ選手が中央からロングパスで流れをつくり、ペナルティエリア右のレジェンドHenryへスルーパス。そのまま、角度のあるポジションからゴールを決めた。MSドサリ選手が初めて大きく拳を振り上げるガッツポーズを見せた。それまでとは異なり、何口も何口も落ち着きを取り戻すかのように、水を口に含んでは飲み干した。対するステファノ・ピナ選手は、堪らず顔を手で覆い、大きくうなだれた。勝者を決定づける大きな1点であることは、両者の仕草が何より如実に物語っていた。なおも攻撃をかけるMSドサリ選手は、ボールを回すポジションを自陣から敵陣、さらに前線へと徐々にシフトチェンジさせた。ステファノ・ピナ選手はコンソールの違いもあるためか、1stLegで見せた切り返しの効いたドリブルが次第に見られなくなった。MSドサリ選手が優勢のまま、前半は終了した。休憩中は両者ともコーチと話しながら、MSドサリ選手は落ち着いた笑みを見せ、ステファノ・ピナ選手は眉間を摘まみ上げる仕草をくり返した。

2ndLeg(Xbox One) 後半

2ndLeg後半はMSドサリ選手のキックオフに始まり、ボールを持つ、前半終盤と同様の展開。MSドサリ選手がさらにポゼッションを強めるが、72分ステファノ・ピナ選手がRonaldoの中央突破で意地を見せるもゴールならず。81分MSドサリ選手が左サイドから仕掛け、ゴール前のバックパスからレジェンドGullitでシュート、ダメ押しのゴールを決める。結果MSドサリ選手の4得点となり、同選手の優勝が決まった。MSドサリ選手は無失点である上、1stLegの前半後半・2ndLegの前半後半、それぞれ1得点をあげ、その安定した試合運びは、両プラットフォームを制した、まさに完全勝利だったと言える。

決勝後のセレモニー

試合終了後MSドサリ選手は軽くガッツポーズを見せたが、コントローラーを置くと、すぐにステファノ・ピナ選手へ掛け寄り握手を求めた。ショックの色を隠し切れないステファノ・ピナ選手だったが、しっかりと握手に応え、お互いの健闘を称え合った。MSドサリ選手が母国サウジアラビアの国旗を羽織った。また、観客に称賛の声を求め、耳に手を当てる仕草をして見せた。優勝セレモニーが始まると、MSドサリ選手に優勝カップが授与され、同選手は優勝カップを高らかと天に突き上げた。直後、コーチを壇上へ呼び、カップを持たせ、コーチを称えることも忘れはしなかった。

(文●fanatic wilkinson’s)
(写真●@akira_ca
(編集●VAMOLA eFootball News編集部)

関連記事一覧