【FIFA19ブカレスト大会】日本代表ナスリ選手インタビュー「欧州の真似ではなく、日本のスタイルで戦う」

1月25日から27日の3日間、『FIFA 19』によるeスポーツの世界大会「FUT Champions Cup January」がルーマニアの首都ブカレストで開催された。日本からはアジア予選を突破した、ナスリ選手(同大会のプレイヤーネームはWeb Nasri)がPlayStation4部門で出場。

ナスリ選手は予選のスイス式トーナメントを2勝3敗とし、決勝トーナメントへ進出の懸かる第5試合まで進むも、その試合を延長戦で敗北し、惜しくも決勝トーナメント進出とならなかった。VAMOLAは試合後、ナスリ選手にインタビューを敢行し、同大会を振り返ってもらった。

--全体を振り返ってみて

結果としては2勝3敗でしたが、試合の内容は良かったかなと。

--前回大会と比べて

先週からイップスのような状態に陥っていて。1回負けると何もわからなくなるような感じで…。いつもやっていたことが全くできなくなりました。先週のロンドン大会から、今回のブカレスト大会の2試合目まで、そのイップスのような状態がずっと続いていました。

うわべだけのプレーというか、薄いプレーを続けていました。どう戦えばいいのかわからない状態で、戦術を変えてみたり…色々とやってみました。ヨーロッパで流行っているドロップバック(みんなで守るスタイル)だったり、ラインを下げてみたり…。逆に、攻め方も変えてみて、形が整っていないうちに、どんどん攻めていくスタイルにしてみたり…かなり迷走していました。

--その迷いを解消することはできましたか

つぁくと選手から色々とアドバイスをもらうことで、落ち着きを取り戻すことができました。

--いつアドバイスを

2試合目が終わった後です。1試合目は7-1で負けて、2試合目は4-1で負けて…。正直、もう終わったと思って…失うものはありません。ずっとポゼッションをとって、押し込んで崩すという戦い方を、ブレずにやりきろうと心に決めました。そうすると、戦い方がよくなりました。

--戦い方はすぐに変更できましたか

日本でやっていた、元々のスタイルに戻しただけなので、うまく行きました。一か八かでやって良かったです。

--では、1試合ごとに振り返って頂きたいと思います。

・1試合目 vs アメリカ代表NYC_Chris選手 1-7で敗戦

初心者みたいな戦い方をしてしまった。先にお話ししたイップスのような状態に苦しんでいました。病気にかかっちゃったみたいな感じで、治し方や抜け方が全くわからずにいました。

--これまでにイップス状態になったことは

昨年の8月のeW杯ロンドンでも 、同じようなことになりました。そのときは、9ー1とか7−2で負けてしまって。

・2試合目 vs ブラジル代表Zezinho23 1-4で敗戦

シュートは30本くらい打ちました。1試合目の敗戦から、自分の中で吹っ切れたものがあったので、思いっきり行けました。

--思いっきりとは

リスクのあるパスを出せたり、シュートもドンドン打つような…。丁寧じゃなくなった感じです。でも結局、PKで1点しか取れませんでした。

--どんな気持ちでしたか

正直、早く負けてしまって、ホテルへ帰りたい気持ちに…笑。相手は10本しかシュートを打っていないのに、4ゴールを決められてしまったので。相手のシュート精度が高くて、気持ち的に萎えてました。

--どうやって気持ちを立て直しましたか

何もわからない状態になっていましたが、2試合目が終わったタイミングで、つぁくと選手にアドバイスをもらいました。先ほど、お話したように、ヨーロッパのスタイルに合わせず、日本のスタイルでやってみることにしました。

--つぁくと選手はどんな存在

友達的な存在です。

・3試合目 vs トルコ代表DA-Daimond選手 4-2で勝利

相手を圧倒することができて、内容は良かったです。シュートは、あまり入りませんでしたが、この戦術(日本のスタイル)なら行けると確信が持てました。

--気持ち的には

とにかく、1勝することができたので、ホッとしました。次の4試合目で日本のスタイルをまた試せるなと、思っていました。戦術を試すという面でも、手を抜けない戦いでした。

・4試合目 vs イギリス代表Jas NV選手 4-3で勝利

ボクが2試合目に戦った、ゼジーニョ選手に敗戦していた選手でした。先に2点を先制されてしまい、戦術どうこうではなく、スキルがまだまだ足りていないのかなと。ダメだと思ったけど、2−2までなんとか追いつくことができました。後半は積極的に攻めることができたので、もしかしたら(勝てるかも)と思いました。

・5試合目 vs ポルトガル代表tuga810 4-5で敗戦。

この試合に勝てば、決勝トーナメントへ行くことができました。2ndレグの120分で決められましたが、勝てたかもしれない試合でした。

--内容的には

4試合目と同じ感じで、先に2点取られて、正直、負けたなと思っていました。今回も試合の入りがすごく悪くて、会場の雰囲気もちょっと悪くて…。

--パスまわしが多かったイメージですが

パスをまわして粘りました。いつもの日本スタイルの戦い方ができたと思います。ヨーロッパの人には、新しいスタイルに見られていると思います。試合後も声をかけられることがあって、「ナスリのプレースタイルが好きだ」と言われました。

--海外でも通用するという自信は

はい。この日本式のスタイルで、イメージを掴むことができました。来週のロンドン大会でも、パスをまわして行きたいです。結果としては、悔しいですが、来週(ロンドン大会)に希望が見えました。

--次の目標は

まずは、ロンドン大会で予選突破をしたいです。おそらく、強い人ばかりですが。

--ありがとうございました
ありがとうございました。

(取材●Akira Kurosawa)
(編集●VAMOLA eFootball News編集部)

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